Xを開こうとすると青空文庫のアプリが開くように設定して、この夏はSNS漬けを避けようとしている。
短編を中心に6つ読み終わったので、個人的な短い感想を書き留めておく。
昔、教科書で読んだときは、この男悪いやつ!で感想が終わってたけど、今は彼の弱さとずるさを、仕方ないよね…と思えそうだった。言い出せず思い悩みボロボロになって帰宅して熱出して倒れるところ、身勝手でずるくてあるあると思った。昔の文体で読みにくいんだけど、なんだか癖になる読みごたえがあって、自分の頭がこの文体に親しんでいくのが愉快だった。
文字を読んでいると、頭の中も文字で整頓されていく感覚がして、本を読むって頭の中のあいまいを外に出す時の型を提供してくれてるんだなぁと感じた。え、本読むって、マジでいいじゃん、と思ったので青空文庫他にも読んでみることにして、その後も以下の小説を読んだのである。
トルストイ レオ『イワンの馬鹿』
小学校の図書館でタイトルだけ見たときは、タイトルに馬鹿って入ってる!人に馬鹿って言っちゃいけないって先生たち言うのにそんなのいいんだ!と思った記憶がある。そう思っただけで手に取りはしなかった。今読んでみると拍子抜けなくらい庶民向けの簡単な寓話だった。イワンは馬鹿というより労働者感が強い。三兄弟の要素をバランスよく取り入れた方が生きやすいんじゃないか…?
太宰治『皮膚と心』
昔読んだ寺山修司の『ポケットに名言を』にこの小説の一片が出てきた気がする。女心をリアルっぽく書くのうますぎるな。病気になると考えも内側にこもって暗くなるよね〜分かる〜と思った。でも、女心を勝手に書きすぎじゃねえか?とも思う。文章の空気感が良い。
江戸川乱歩『日記帳』
すぐに読み切れる短編ミステリーだった。書き手によって小説ってこんなに温度が違うんだなぁと感じた。平熱で平たく進んでいく感じがする。そんなに難しくない言葉遣いなんだな、他の作品も読んでみたくなった。
本当にこれ自分の子供向けに書いてんのか〜?子供に宛てる形のエッセイひとつ書いてくださいよ〜って編集に依頼されて書いたものじゃない?大人の読者に読ませる視点が含まれすぎな気がする。エピソードトークいくつか抜いて最初と最後だけ繋げれば感動もの短文になりそうだけど、そのエピソードトークに人間味が含まれてるから省いてはいけない要素なんかなぁ?
谷崎潤一郎『刺青』
女性の脚へのフェティシズムが美しく書かれているところ良かった。しかし、そんな勝手にやっていいんか??とも思う。うーん、この時代はいいのか…?リアルというより理想話に振り切れてる感じ。書き出しの時代説明と刺青と美についてみたいな文章はとても好みだった。
青空文庫が著作権切れの小説を無料で読ませてくれる場所なだけあって、価値観が古いことに頭を傾げながら読むことになった。女の扱いひどいな?こりゃこの時代の女性作家の本も読んでみないとな〜、と思った。